日本語をカナ(仮名)で書くときは発音する通りに書けばよい。 いや、「は」を「ワ」と読み、「へ」を「エ」と読むことがあるのだけは例外だと思い着くかもしれないが、実はそんなものではないのだ。 例えば、 「高校」の発音は「コウコウ」ではない。「コオコオ」である。 「経営状況を報告しましょう。」は つまり、日本語では「い」を「エ」、「う」を「オ」と発音することはごく普通にあることなのだ。 「い」を「ユ」と読むこともある。 「あっさり」は「アツサリ」とは読まない。「アスサリ」である。 「ぎっしり」はどう読むか。「ギシシリ」である。 つまり我々は「っ」の仮名を「ス」や「シ」と読むことがしょっちゅうあるのだ。「ツ」と読むことは却って一切ない。
さて、これらの表記と発音の乖離はなぜ存在するのか。 その大きな原因は、「現代仮名遣い」が現実の発音に基づいて作られたのではなく「歴史的仮名遣い」の枠内での手直しという方法によって作られたからなのである。 「歴史的仮名遣い」は仮名が生まれた平安時代に書かれた通りに書く書き方である。当時発音した通りに書かれているものなので今の発音とはズレる部分がある。 「現代仮名遣い」と「歴史的仮名遣い」は全く別の原理のものであると思っている人は多いだろうが、実は「現代仮名遣い」は「歴史的仮名遣い」の略式版にすぎず、当然に現代発音とのズレを少なからず残しているのである。 しかし、だからと言ってそれが何だろう。 英語では
"O" の読み方は "オウ"
であるが "OUT" と書いて "アウト"
なのだ。同じように と考えて、あまり気にしないことにしよう(シヨオ!)。
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