古典文法事項
大原則:現代仮名遣ひの語頭以外の「わ、い、う、え、お」を「は、ひ、ふ、へ、ほ」とする。「ず」を「づ」とする。
この大原則を超えて注意すべきものを以下に挙げる。●仮名遣ひに注意すべき動詞活用とその語例 (通常の活用表ではないことに注意)
四
段
活
用連用形 命令形 か行 書いて が行 次いで さ行 ま(増)いて は行 か(買)うて ば行 よ(呼)うで ま行 たの(頼)うで ら行 下さいます 下さい
上
一
段
活
用未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 ま行 見い わ行 ゐ(居)ず ゐて ゐる ゐるが ゐれば ゐい
上
二
段
活
用未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 だ行 閉ぢず 閉ぢて 閉ぢる 閉ぢるが 閉ぢれば 閉ぢよ 閉ぢろ は行 恋うて や行 老いず 老いて 老いる 老いるが 老いれば 老いよ 老いろ
下
二
段
活
用未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 全行 得(え)い 助けい 流れい ざ行 ま(交)ず 交ずる 交ずるが 交ずれば 交ぜい は行 つか(仕)うて や行 越えず 越えて 越える 越えるが 越えれば 越えよ 越えい 越えろ わ行 植ゑず 植ゑて 植う 植うる 植ゑる 植うるが 植ゑるが 植うれば 植ゑれば 植ゑよ 植ゑい 植ゑろ
さ
変
活
用終止形 連体形 已然形 命令形 さ行 せい ざ行 信ず 信ずる 信ずるが 信ずれば 信ぜい
か
変
活
用命令形 来い
(以上、通常の活用表ではないことに注意)
●仮名遣ひに注意すべき形容詞活用とその語例 (通常の活用表ではないことに注意)
連用形 終止形 連体形 く活用 あか(赤)うて 赤い 赤いが しく活用 嬉しうて 嬉しい 嬉しいが
●仮名遣ひに注意すべき形容動詞活用とその語例 (通常の活用表ではないことに注意)
未然形 連用形 終止形 連体形 なり活用 確かぢやらう 確かぢやつた 確かぢや 確かぢやが
●仮名遣ひに注意すべき助動詞 (通常の活用表ではないことに注意)
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | |
指定 | ぢやら | ぢやつ | ぢや | ぢや | ||
比況 伝聞 推定 |
やうなら |
やうに やうなり やう さうなり さうに さうで |
やうなり やうな やうぢや やうだ さうなり さうな さうだ やらう |
やうなる やうな やうの さうなる さうな やらう |
やうなれ やうなら さうなれ さうなら |
|
未来 推量 意志 |
う よう |
べう |
う よう むず んず うず うずる らう べい らしい |
う よう むずる んずる うず うずる らう べい らしい |
むずれ んずれ うずれ |
|
上の打消 | まじう | まじい まい | まじい まい | まいけれ | ||
打消 | ず |
ず |
ず ない |
ない |
||
希望 | |
たう まほしう |
たい まほし |
たい |
||
上の打消 | まうく | まうし | まうき | まうけれ | ||
受身 可能 自発 |
え らえ |
え |
ゆ らゆ れる られる |
れい られい |
||
使役 | しむる す する せる さす さする させる |
しめい せい させい |
||||
尊敬 | まう |
ます るる れる らる らるる られる しやるる しやる つしやるる つしやる つしやるる つしやる さしやる さつしやるる さつしやる さつしやるる さつしやる やしやる やつしやる |
れい られい しやい つしやい つせい さしやい さつしやい さつせい やしやい やつしやい い さい |
|||
謙譲 丁重 |
まらする まする ます |
まらせい ませい |
||||
丁重指定 | ざうらは ざう |
ざうらひ ざうらう ざう |
ざうらふ ざう |
ざうらふ ざう |
ざうらへ |
●仮名遣ひに注意すべき助詞
間投 い(上代) 終 い
いな
いなあ
いなう
いの
え(近世・呼びかけ、親しみ)
なう
までい
やい
よなう
わ
わい
わな
ゑ(上代・感動)副 やらう 格 い(上代) 接続 いで
ものゆゑ