補講208教室

特別授業:「しよう」と「しやう」について

 「〜しよう」は「し+よう(意思・推量)」です。(参照)
 早くしよう(意思)、そろそろ終了しよう(推量)、などがさうです。
 どうしよう、どうしようとも、などもこれでいいのですが、しようがない、となるとこれは「し様がない」の意味ですから「様」の字音により「しやうがない」としなければなりません。
 「ショーガナイ」も元々し様がないの意味ですから「しやうがない」または小字で「しゃうがない」と書きます。

 デザインやスペックを意味する名詞「仕様」はもちろん「しやう」です。

 ややこしいので表にしておきませう。

(意思・推量) (し様)
〜しよう
〜しようがしまいが
しやうがある(発音シ・ヨオ)(方法がある)
しやうがない、しやうもない(発音シ・ヨオ)(方法がない)
しやうがない、しゃうがない(発音ショー)(あきらめた)
しやうもない、しゃうもない(発音ショー)(くだらない、ばかばかしい)
どうしようと
どうしようが
どうしようとも
どうしようもかうしようもない(どうしよう、かうしようといふ考える余地がない)
 
どうしようもない(どうしようといふ意向などない) どうしやうもない(発音シ・ヨオ)(何も方法がない)
せうことなく  

 ※ 「仕方なく」の意味の「せうことなく」は「しよう+こと」ではなく「せむ(ん)こと」から直接できた語

 ちなみに、左欄の「しよう」(発音シ・ヨオ)は現代標準アクセントではふつう「低高低」と発音され、右欄の「しやう」(発音シ・ヨオ)は「低高高」と発音されます。

「発音シ・ヨオ」とは区切るといふ意味ではない。「ショー」ではなく「シヨオ」である意。



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