補講404教室

特別授業:一部の字音について

 「学校」の振り仮名は「がくかう」とするべきでせうか「がつかう」とするべきでせうか。

 「ガクコー」と発音する語は存在しないと考へられるならば、「がくかう」と書いて「ガッコー」と読まれるのは転呼の現象です。転呼とは元の書き方のまま発音が変はるといふ意味ですから、「学」の元通りの字音「ガク」をそのまま用ゐて「がくかう」と書いてよいのです。この場合にわざわざ「がつかう」と書く必要はありません。 

 一方、二つの読み方がある「早急は」どうでせう。これは「ソーキュー」のつもりであれば「さうきふ」、「サッキュー」のつもりであれば「さつきふ」としなければなりません。

 では「納得」はどうでせう。ふつう「ナットク」としか読まれませんから「なふとく」と書いて「ナットク」と読ませることが可能な気がします。しかし大きな辞書を見ると「ノートク」と読む語も存在するやうです。ならば「ナットク」は「なつとく」、「ノートク」は「なふとく」と書き分けなければ弁別することができません。

 ただしこのあたりについては必ずしもすべての国語辞典が厳密に突き詰めて記述してゐるわけではないといふ事情があります。



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