補講408教室

特別授業:「ちふ」「とふ」「てふ」について

「ちふ」は「といふ」から母音が抜けて出来た言葉で、非常に古い時代からありました。
その後転呼で「チュー」と発音されるようになり、現在でも「なんちふことだ。」などと普通に使はれてゐます。

「とふ」「てふ」も同様にして出来た同じ意味の言葉ですが、和歌によく使はれた雅びな感じの語です。「てふ」は「衣ほすてふ天の香久山」で特に有名です。
「とふ」「てふ」ともに話し言葉としては生き残りませんでした。
現在これらを読むときは転呼して「とふ」は「トー」、「てふ」は「チョー」と発音します。
現代文の中に「とふ」「てふ」を使ふことはありません。「〜てふことだ。」などと書くと「〜チョーコトダ」と読むことになり、意味をなしません。
戯れに使ふことは考へられますが、単に「といふ」の省略形として安易に使ふことはできません。



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