速習版とびら 二章 動詞・形容詞の「い」 三章 居るの「ゐ」 四章 送り仮名 五章 ワ行 六章 長音とジ、ズ 七章 覚えよう 練習
速習版第一章
動詞の「ふ」
「〜ウ」といふ動詞を「〜ふ」にする。 例外なし
(このページから歴史的仮名遣ひで説明していきます。読むことにも慣れていきませう。)
歴史的仮名遣ひの文章にはいやに「はひふへほ」が多いなと感じませんか。それは
●語頭以外の「ワ、イ、ウ、エ、オ」の多くが「は、ひ、ふ、へ、ほ」と書かれる
からなのです。
特に、
●現代仮名遣ひで「ウ」で終る動詞は歴史的仮名遣ひでは必ず「ふ」で終るのです。そしてそれらが変化すれば当然送り仮名は「は行」になります。
例へば、
会ウ → 会ふ
言ウ → 言ふ
追ウ → 追ふ
買ウ → 買ふ
食ウ → 食ふ
などと書き、
会はない 会はなかった 会はなければ 会はねば 会はず 会はぬ
言ひます 言ひました 言ひません 言ひながら
追ふか 追ふさ 追ふな 追ふには 追ふので 追ふらしい
買へ 買へど 買へば
食はうとする
などと変化します。
ごらんのやうに、「は、ひ、ふ、へ」と活用してきましたが、「ほ」とはならないのです。その点に注意して下さい。
長いものも全く同じです。
商はなくては
あらがひつつ
扱ふとき
争へども
洗はうか
明日会はうと思ふのですが構ひませんか。
なほ、
従ふ → 従はせる、従へる
使ふ → 使はれる、遣はす、おつかひ、仮名遣ひ
のやうに別の形の動詞になったり名詞になったりしても「は行」を保つことも理解して下さい。
歴史的仮名遣ひでは促音の「つ」や拗音の「や、ゆ、よ」の文字の大きさに決まりはありません。ここではしばらくは語の説明を解りやすくするために小さく書くことにします。