完全版とびら 手引き 法則 総合辞書 字音仮名遣表 語の由来 例外動詞 原理 歴史 補講
練習してみよう(3) 最後に全部仮名書きの文に挑戦しませう。解答の後にある解説の内容がすべて理解できてゐるかどうか確認してみてください。
問題
(桃太郎 1)
直し了へたら解答をご覧下さい。
(桃太郎 1 解答)
赤字は現代仮名遣ひと異なる部分です。
むかしむかし あるところに おぢいさんとおばあさんがすんでゐました。 あるひ おぢいさんはやまへしばかりに おばあさんはかはへせんたくにいきました。 おばあさんがせんたくをしてゐると かはかみからおほきなももが どんぶらこ どんぶらことながれてきました。 おばあさんは まあ なんておほきなももでせう。 もつてかへつておぢいさんといつしよにたべませう といつてももをかかへてかへりました。 やまからかへつたおぢいさんも これはおいしさうだ とおほよろこび。 さつそくはうちやうをあてると ももはポーンとふたつにわれて なかからかはいいをとこのこがうまれました。 おぢいさんとおばあさんはこどもがゐなかつたのでたいそうよろこび をとこのこに ももたらう といふなまへをつけてだいじにそだてました。
「おじいさん」の「お」は語頭なので「お」。「じい」はC1の例外にあるので「ぢい」。更に確認すれば「い」は語頭ではありませんがA6の例外に「ぢいさん」があるので「い」と分かります。)
「おばあさん」は語頭なので「おばあさん」。
「いました」は語頭ですがA2の例外に「居る」があるので「ゐました」。
「かわ」の「わ」は語頭ではないので「かは」。
「いきました」の「い」は語頭なので「いきました」。
「いると」は「ゐました」と同じく「ゐると」。
「おおきな」の最初の「お」は語頭なので「お」。次の「お」は語頭ではないので「ほ」。
「でしょう」はB4により「でせう」。「しょ」が単独で「せ」になるわけではなく「しょう」の二拍で「せう」になることに注意。
「かえって」の「え」は語頭ではないので「かへつて」。
「いっしょ」は漢語なので字音仮名遣ひ表により「いつしよ」。
「ましょう」はB4により「ませう」。
「いって」の「い」は語頭なので「いつて」。
「かかえて」は語頭ではないので「かかへて」。
「おいしそうだ」の「お」は語頭なので「お」。「い」は語頭ではありませんがA6の例外に「おいしい」があるので「い」。「そう」はB2により「さう」。「そ」が単独で「さ」になるわけではなく「そう」の二拍で「さう」になることに注意。
「ほうちょう」は漢語なので字音仮名遣ひ表により「はうちやう」。
「われて」は語頭なので「われて」。
「かわいい」の「わ」は語頭ではないので「は」。「いい」は語頭ではありませんが、A6の例外にあるので「かはいい」。また最後の「い」はA6でも形容詞の語尾だから「い」と分かります。
「おとこのこ」は語頭ですがA4の例外に「男」があるので「をとこのこ」。
「うまれました」は語頭なので「うまれました」。
「いなかったので」は「ゐました」、「ゐると」と同じく「ゐなかつたので」。
「たいそう」は漢語なので字音仮名遣ひ表により「たいそう」。
「ももたろう」の「ろう」は漢字音なので字音仮名遣ひ表により「ももたらう」。
「いう」の「い」は語頭なので「い」。「う」は語頭ではないので「ふ」。
「なまえ」は語頭ではないので「なまへ」。
「だいじ」は漢語なので字音仮名遣ひ表により「だいじ」。
(桃太郎 2)
直し了へたら解答をご覧下さい。
(桃太郎 2 解答)
ももたらうはずんずんおほきくなつて ちからもちのやさしいをとこのこになりました。 そのころ むらのひとびとは おにがしまのわるいおにたちがやつてきて たいせつなたからものをごつそりぬすんでいつてしまふので とてもこまつてゐました。 そこでももたらうはおぢいさんとおばあさんにそだててもらつたおんがへしをしなければとおもひ おにがしまへおにせいばつにいくことにしました。 おぢいさんはりつぱなかたなをくれました。おばあさんはおいしいきびだんごをつくつて からだにきをつけていつておいでと みおくつてくれました。「ずんずん」は「づんづん」とはなりません。(C2)
「やさしい」は「やさしひ」とはなりません。(A6)
「おいで」は「おひで」とはなりません。(A6)
「みおくって」の「お」は語中ですが語頭と同じと考へます。
(桃太郎 3)
直し了へたら解答をご覧下さい。
(桃太郎 3 解答)
ももたらうはきびだんごをこしにさげ につぽんいちののぼりをたてて いさましくあるいていきました。 するとむかふから いぬがやつてきました。 ワン ワン ももたらうさん おこしにつけたものはなんですか。 につぽんいちのきびだんごだよ。 おにがしまのおにたいぢについてくるならあげるからいつしよにいかう。 はい ひとつください おともします。 ももたらうは いぬにきびだんごをわけてやりました。 ももたらうといぬがあるいていくと つぎにさるがやつてきました。 キヤツ キヤツ ももたらうさん わたしもけらいにしてください。 よし それではきびだんごをあげよう。 ももたらうは さるにもきびだんごをやりました。 ももたらうといぬとさるがあるいていくと こんどはきじがとんできました。 ケン ケン ももたらうさん わたしにもひとつください。 おともします。「あるいて」、「ついて」は「あるひて」、「つひて」とはなりません。(A6)
「むかふから」はB2により。「むかう」との説もあります。
「いかう」はB1により。
「ください」は「くださひ」とはなりません。(A6)
「あげよう」は「やう」にはなりません。(B1)
(桃太郎 4)
直し了へたら解答をご覧下さい。
(桃太郎 4 解答)
ももたらうといぬとさるときじは のをこえやまをこえ そしてふねにのつてうみをこえおにがしまへやつてきました。 おほきなもんがしまつてゐましたが きじがとんでいつてなかのやうすをみてきました。 おにたちはさかもりのさいちゆうですよ。 さるがもんをのぼつていつて うちがはからかぎをあけました。 ももたらうは それー すすめやすすめ わるいおにどもをやつつけろーつ とさけびながら いぬといつしよにせめこんでいきました。おにたちは そんなゆうきのあるをとこのこがせめてくるとはおもはなかつたのでびつくりしましたが すぐに なにを こしやくな こぞうめと こはいかほでむかつてきました。 でもどんなにつよいおにでも ももたらうはまけはしません。 いぬもワンワンとかみつき さるはキヤツキヤツとひつかき きじはケンケンとつつつきました。おにたちはとびあがつたりころんだりおほあわてです。おもしろいやうにのこらずおにたちをせめふせて たうとうさいごにももたらうは いちばんおそろしさうなおにのたいしやうを えい やあ どしーんとなげとばしてしまつたので おにたちはみんな あかかつたかほもあをくなつて もうわるいことはいたしません。どうかゆるしてくださいとかうさんし たくさんのたからものをさしだしました。
ばんざーい ばんざーい。 ももたらうたちはたからものをくるまにつんでかへります。いぬとさるときじは おもたければおもたいほど いさんでくるまをひきました。 えんやらえんやら えんやらや。むらにかへつてきたりつぱなももたらうのすがたを おぢいさんとおばあさんは よかつたよかつたと おほよろこびででむかへました。 めでたし めでたし。「のをこえ」は「のをこへ」となりません。(A8)
「やうす」は漢語。
「こぞう」は漢語。
「おほあわて」は「おほあはて」となりません。(A5)
「のこらず」は「のこらづ」とはなりません。(C2)
「たうとう」は漢語。
「えい やあ」は「えひ やあ」となりません。(A6)
「あをく」は「あほく」となりません。(A9)
「もう」、「どうか」は「もふ」、「どふか」になりません。(A7)
ここまでの練習問題の答へと解説をすべて理解できた方は十分力が付きました。認定試験の長文問題も楽勝でせう。
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